2種類の「暗記」

 長年、小中学生を指導してきて気づくことなのですが、「暗記」には2

 

種類のパターンが存在するようです。

 

(僕は、恥ずかしながら若いころは気づきませんでした…orz)

 

 1つは「関連事項と結びつけた意味暗記」です。これができる生徒は、

 

いろいろな角度から出題されても、記憶のとっかかりが多く存在するため

 

に対応できるんです。初見の問題に対する対応力が高い生徒は、この暗記

 

が出来ている子が多いと言えます。

 

 もう1つは、無機質な「無意味暗記」とでもいうのでしょうか。意味も

 

なく、ただそのプリントの空欄のみが埋まるような丸暗記です。授業プリ

 

ントのチェックテストなどは、毎回ほぼ完璧にできるのに、定期テストや

 

実力テストになると予想を下回る点数になってしまう。そんな傾向を示す

 

生徒の割合が増えてから、ようやく気付けたのですが、全く「意味」と結

 

びつけずに、解答をまるで「映像や画像」として脳に焼き付けているんで

 

すね。ですので、少しでも違った角度から聞かれたりすると、まったく対

 

応ができないというものです。

 

 しかし、これはまだ「覚えられる」だけマシなケースです。中には「意

 

味」と結びつけて覚えられないために、他の人より時間をかけて勉強して

 

いるのに、全然頭に入っていかないという生徒も存在します。根本的に

 

「暗記の質」が違うために、精神論や根性論で「できるまでやれ!!」

 

と言われても、覚えられないんですよね。本人はからすると、「覚え方が

 

わからない」、「みんなは何で覚えられるんだろう」となってしまうんで

 

す。本人なりに頑張っている分、精神的にツライですよね。

 

 このことに気づいてからは、普段からなんとか「記憶のとっかかり」

 

できるように工夫はしているつもりなのですが…。はいそうですかと全員

 

が「意味記憶」が自然とできるようにはなっていかないです。無意味暗記

 

をしている生徒だって、好きでそうしているわけでなないんです。出来れ

 

ば、「意味暗記」が当たり前にできるようになりたいはずなんですが、ど

 

うやったら「意味暗記」になるのかがわからないんですよね、きっと。

 

確な方法論もないのではないでしょうか。無意識的にできるようになって

 

いる感覚を他人に伝えることは難しいですから。

 

 指導する側として「無意味暗記」は「最強にして最大の壁」です。なん

 

とか「意味暗記」に変えてあげられるような糸口を探し続けなければなり

 

ません。時間はかかるでしょうが、個別ケースに対応できるようにいろい

 

ろと勉強を重ねていきます。

 

 

※知り合いの塾の先生方にも協力をいただいて、効果のあった方法をいろ

 

 いろ個別に試してみようかと思っています。

 

 

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