対応力に欠ける

 今年の学伸塾中3生の特徴として、素直に頑張るのだけれども「対応力に欠ける」という所がある。

 特に社会で顕著なのだが、昨年までの定期テストは1問1答に近い形式であったため、基礎を徹底的に反復してあげれば、必然的に高得点がとれた。現にBクラスといえども塾平均が学校平均の+20点以上ということも可能であった。

 かし、学年末テスト辺りから、思考力が必要な問題が増え、尚且つ範囲がピンポイントではなく履修範囲すべてとなったため、単純な暗記が通用しなくなった。つまり、今まで通りの勉強の仕方ではダメだということだ。

 教科書をしっかり読み込み、歴史の流れをしっかり把握することを基本とし、細かい資料にもしっかりと目を通さねばならなくなった。テストの前日にも、生徒たちには「教科書をしっかり読んでおくように」と指示を出したが、はたしてどれだけの生徒がしっかりと読み込んだか…。ぶっちゃけて言ってしまえば、社会の問題の大半は教科書を繰り返し何度も読んでおけば、選択問題であっても記述問題であても簡単に対応できるのだが…。そこまで読み込む生徒が少ないのかな…。

 

 そして、データの更新ではなく、データの上書きに近い生徒が多いのも特徴だと思う。新しい情報を頭に叩き込むと、過去の情報が消えていく…。つまり、復習範囲が出るとお手上げ状態になってしまう。例えば、今回でも「文明開化」が正答となる問題を、「欧化政策」とか「明治維新」という風に誤って答えてしまっている。因みに、ここは中2のときにはほとんどの生徒が正答できていた。だって1つ1つの事柄の意味なんて全く異なるのだから…。半年前は識別できていたものが、今はもう…。(T_T) 

 

 ある程度の対応力を持つ生徒は高得点を残せるのだが、そういう生徒の割合が今の学伸塾3年生には少ない。素直で地道な頑張りで成績を上げてきた生徒が圧倒的に多い(それ自体は素晴らしいことだ)のだが、ここらで対応力も身につけていかなければ、定期テストのみならず入試も危うい。

 幸い(?)、この先の夏期講座で総復習をする機会がある。そこで改めて基礎プリントから知識を組み立て、その後の問題演習で対応力を養うやり方で粘り強く徹底指導するほかない。厳しく苦しい夏になるだろうが、しっかり積み上げよう。