「時間」で満足しないこと

 「先生、1日どれくらい勉強すればいいですか?」

 

 こんな質問を受けた。

 

 時間の問題ではないよ。何ができるようになるかが大事!」

 

 これが僕の答えだ。

 

 残念ながら勉強時間と身についた量は比例はしない。むしろ一定の課題が与えられているという状況であれば時間は短い方がいいに決まっている。

 

 塾の夏期講座で考えてみよう。塾の講習でやるべき演習量は決まっている。先日のブログでも書いたが、早い生徒は4~5時間程度、遅い生徒は6~7時間程度(中には9時間ほどの生徒も)の時間をかけて勉強している。

 では、早く終わった生徒がその後何もしないかといったら、決してそうではないだろう。別の何かの学習を進めているはずだ。といことは、1日の中での勉強量、こなした問題の種類には大きな差が生まれる。それを40日も積み重ねたら…、考えたら分かるよね? できる生徒は空いた時間を使ってドンドン「できるもの」を増やすわけだから、差は開く一方だ。

 

 勉強においては「何時間やろう」ではなく、「ここまでやり切ろう」という1日単位の目標を立て、それをしっかり実行するようにしよう。その日の目標に達したら、あとの時間は自分のために有効に使えばいい。逆に言えば、目標に到達しなければ、何時になっても勉強を続けるべきだ。イレギュラーな出来事があった場合でも、可能な範囲で勉強を進めつつ、翌日にはその分の穴埋めをするように早めに対処すること。与えられる時間は皆同じなのだから、どうやったら密度の濃い時間の使い方になるのか、そこを突き詰めて考えるべきだろう。成績下位の生徒ほど「何時間もやった」とか「夜中●時まで頑張った」と言って満足げな顔をするが、そうではないよね。集中して復習や課題にかける時間を短くすれば、それだけ自分の時間を創りだせるわけだから、その時間に新たな知識を吸収することも可能だろう。そうすればもっと向上できる。

 

 これまでの勉強の借金があって、復習に時間がかかるのは仕方がないのだが、自分が復習をしている時間にライバルたちは自分の勉強量以上のことをやっているということも肝に銘じておくべきだろう。

 僕は学生時代(一生懸命にやり出した中3~高2)、自分の心に甘えが出たときに、「ライバルは今頃どうしているのか」と考えて奮起していた。「あいつには負けていられない」という心が自分を突き動かしていたのを今も鮮明に覚えている。(好きな子に勉強を教えたいという下心も多少はあったけれど…(〃ノωノ))

 

 「時間」ではなく「できるようになった」量を増やせるように、日々の課題に取り組もう。そして自分に甘えが出てきたら、「こんなことではライバルに勝てない」と言い聞かせ、気持ちを奮い立たせよう。これ、本当に効果があるから!!