総復習するからこそ

 中3の夏期講座は、中1内容からの総復習。

 

 総授業時間は50分授業✕3限✕13日間=1950分(32.5時間)となっている。見た目には「これで総復習なんて可能なの?」というくらい短い時間だが、これはあくまで表面上のもの。実際には、復習用のプリントや説明で授業時間の大半を使うため、テキスト演習や解き直し、チェックテストは延長して行われている。よって短い生徒で5時間ほど、長い生徒は7時間ほど毎回勉強していく。なので、平均して80時間ほどは夏期講座だけで勉強することになる。これとは別に数回の通常授業が組まれているので、トータル100時間近くなるのではないかな。

 

 いろいろな塾さんで夏期講座が行われているが、キチンと総復習をやり切ろうと思えば、これでも少ない方だと思っている。中には最初から100時間以上の設定をされる塾さんもあるだろう。ただ、学校課題とのバランスを考えた場合、学伸塾生はこれくらいの量でないと家庭学習がいい加減になってしまいそうなので、ここがギリギリのラインかなと思う。

 

 理解度の確認も、チェックテストだけではなく口頭確認も行われるため、皆覚え直しに必死だ。すこしでも躓けば最初からやり直しになってしまうので、何度も反復し、頭にすり込んでいく。要は強制的に暗記させる仕組みづくりをしているということだ。

 

 しかし、いくらその日にしっかり覚えたとしても、そこは人間のやること。ハードディスクがついているわけではないので、家でも復習をしなければ、夏期講座が終わるころにはどれだけかの知識が抜けてしまうだろう。そうならないように、塾での履修内容と学校課題の単元をリンクさせてくれるとより効果的だろう。出校日の宿題点検も終わったはずなので、ここからは課題の進め方にある程度の自由があるはず。塾で復習した単元と同じ内容のページを2,3日後くらいに進めるのがいいだろう。

 

 ところで、総復習をしているからこそ、通常授業では見えてこなかった弱点が浮き彫りになってくる。定期テスト対策では範囲が限定的であるために「ごまかし」がきいていたのであろうが、全範囲をやり直すとなると、そうはいかない。公式を覚えていなかったり、効率の悪い解き方で時間をロスしたりと、いろいろな粗が見えてくる。解けない問題が多いと心が挫けそうになるだろうが、そこは前向きに捉えたい。「ああ、現状はこんなにできないものがあるんだな。これを克服したら、もっと上がり目があるんだな」と。入試直前にこれだけの弱点がでてきたら、そのほうがパニックになるはず。学校の授業が進まない夏休みだからこそ、腰を据えて徹底的に弱点の補強に充てる時間も確保できる。だから、焦らずにしっかり弱点を補強していこう。解けない問題が減ってこれば、それだけ進歩したということだ。授業中やテキスト演習ではボロボロであったとしても、その後の解き直しをしっかりやって根本理解をし、チェックテストで完璧に仕上げればいい。

 

 チェックテストの出来が良くて「先生、できるようになった!!(^^♪」と喜んで報告に来る生徒もいるよね。それでいいんじゃないかな。その繰り返しで自分を徹底的に鍛えていこう。