だからできないんだよ…

 勉強を苦手としている生徒は、自分と同じ境遇、思考である仲間(?)を探して、所謂「傷の舐め合い」をする傾向にある。そして十八番、「生きてて使わなくね?」という台詞が飛び出す。(笑) これは、正直、自分が成績下位だった頃に思ってましたがね…。

 

 その捉え方が、自分を「できない」人間に陥れていることを理解しないとね…。何も現状は変わりませんよ。

 

 できる生徒は「つるむ」ことをしない。それはそうだろう。躓くポイントも人それぞれ違うし、何よりしっかり考えて根本理解をし、次につなげることに必死だ。人は人、自分は自分、その辺をよくわきまえている。そして、傷を舐め合っても自分の成長につながらないことを無意識レベルで理解しているのだろうね。だから、できなかった愚痴より、できるようになる努力を先にする。だから、質問にもよく来る。対して、「傷の舐め合い」が好きな生徒は、散々お互いを慰めあってから、ようやく重い腰を上げる。そして、何がわかっていて何がわかっていないかの自己分析もできないため、ピンポイントの質問ができず、漠然と「わかりません。もう1回全部教えてください。」という台詞が出てくる。まあ、それでも説明を求めるだけマシなほうか…。質問にも来ず、やり直しをするときに解説ごと丸暗記をして、「できた・わかった」ことにするという暴挙に出る最悪なパターンを実行する生徒もいる。

 

 まぁ「傷の舐め合い」を100%否定する気もない(人間だから、愚痴らなきゃやってられないこともあるだろうし)が、自分の成長の妨げになっているモノであるということは認識しておこう。そして、それを繰り返す人間の周りにはポジティブな人間は集まらない。

 

 そもそも、「傷の舐め合い」をする生徒は、受け身であることが多い。そして勉強というものを前向きに捉えていないがために、頭への入りも悪くなる。要するに自分で精神的な「壁」をつくって、知識を得ることをブロックしてしまっているのだ。実際に、過去に見てきた生徒の中に、「やらされてる感」満載であり、仲間を探しては「傷の舐め合い」をしている生徒が数名存在した。こういう生徒は勉強した量に比例する伸びは見せなかった。(それでも強制的に勉強はさせていたので、ジリジリとではあったが伸びるには伸びたが…。)

 

 人間という生き物は、物事を前向きに捉えないと、思考に影響が出ると思っている。今まで「傷の舐め合い」が癖になっていた生徒は、まずそこから改めようか。難しく感じる問題が出てきたときに、それを「成長のチャンス」と捉えられるようになったら、成績にも表れてくると思う。だって、勉強というものは「できない・知らない」ものを「できる・知ってる・活用できる」ものに変えるためのものだから。習い始めは、理解しにくくても、複数問題を解いているうちに、「ああ、そういうことか」となることも多々ある。だから、導入説明を一生懸命聞いて、素直に演習問題を繰り返したほうがいい。

 

 ちょっとマインドを変えるだけで、成績が向上する可能性がまだまだあるのだから、いつまでも「傷の舐め合い」をしている場合じゃないよね。貴重な時間の無駄だ。第一、愚痴っても頭は良くはならない。「愚痴」や「できない言い訳」を考えてる時間と脳があるのならば、「どうやったらできるか」を考えるべきだ。

 

 言い訳・傷の舐め合い・負の思考、この勉強の妨げとなる「逆三種の神器」は早々に捨てよう。