見えているものが違うから。

 例年、この時期になると保護者の方、塾講師、学校の先生の方が「受験生」ということを意識し、何

 

とか子どもたちが危機感を持って今まで以上に頑張ってはくれまいかと苦心する。言っても言っても重

 

い腰を上げようとしない子どもを抱えている場合は尚更かと思う。

 

 大人たちは一通りの経験をし、いつ何をしておくべきかを知っている。よって、ときには自分と同じ

 

失敗を子どもにさせまいと、早め早めに子どもにいろいろなことを伝えてきたご家庭もあるかと推察す

 

る。(うちはそうなんですけどね…。)

 

 しかし、大半の子どもは言われていることがピンとこないため、危機感を感じて動くことができず、

 

ただ「うるさいなぁ」で終わることが多い…。こればかりは一概に子どもを責めることは難しい。如何せ

 

ん経験していないため、大人と子どもで見えているものが違うからであろう。イメージが湧かないのだ

 

から、危機感を覚えようがないのかもしれない。

 

 大人は受験生になる我が子のスイッチが入るのを今か今かと心配しているがゆえに、いろいろと苦言

 

を呈するのだが、子どもの側からすれば、「やることやってるよ!」と反論したくなってしまうのだろ

 

う。まぁそれは自分もそうだったから、その気持ちはわからなくもない。ただし、子どもたちが認識し

 

ておかなくてはならないのは、自分で「やらなきゃ」と気づいたタイミングでは「手遅れ」になってい

 

る可能性が高いということだ。経験者である大人(特に学校や塾の先生)がそ

 

のタイミングで言うということは、そこがリミットだと思ったほうがいい。必

 

要がなければ、そもそも我々も余計な口出しはしない。あえて何かを言うという事は、「そのタイミン

 

グで変わらなければマズイ」ということに他ならない。経験してきていないのだから、ピンとこなかっ

 

たり自分でスイッチが入らないこと自体は仕方がない。しかし、経験者が「今何をすべきか」を提示し

 

てきた場合は、「あぁ、ここがリミットなんだ」と理解して、行動と思考を変えるべく自分でスイッチ

 

を切り替えよう。まわりの大人(経験者)は君たちこどもの成功を望んでいろいろ口を出すということ

 

を忘れてはならない。

 

 さて、明日は予定通り数学の授業の代わりに「入試」の関する必要な話をしていく。そこで受験生と

 

しての心構えや姿勢を今一度見直し、今後に活かしてほしい。ここで変わろうとしないのであれば…、今

 

以上のことを望んでも、何も得られないよね。何かを得たいのであれば、思考から変えて、行動に移す

 

べきだ。それをしたか、あるいはしなかったかで、1年後の君たちの進路は大きく変わるはずだ。少な

 

くとも現状維持で大丈夫であるといえる生徒は片手で数えるほどしかいない。最近の授業で敢えて入試

レベルの思考力を必要とする問題を取り入れたが、今までの勉強の仕方では通用しなかった生徒もいた

 

よね。それが自覚できたのであれば、早めに今の自分のあり方を改めよう。