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距離感

 指導上、

 

 もっとも留意すべきは

 

 生徒との距離感。

 

 これについては

 

 愛娘に対しても

 

 かなり意識している。

 

 “わからない”といって問題集を持ってくる前に

 

 できるだけの対処をするよう

 

 幼少期から躾けてきた。

 

 よって

 

 必ず調べ学習までさせてから

 

 “どの部分”が理解できないのかを

 

 明確にさせてから質問しに来るように

 

 習慣づけてある。

 

 “どこがわからないのかもわからない”

 

 という状態で質問に来ることは

 

 一切禁じている。

 

 大した思考もせず

 

 安易に答えのみを求めるようになっては

 

 もはやそれは“学び”ではない。

 

 

 成績の芳しくない生徒に

 

 表面上の“面倒見のよさ”を与えてしまうと

 

 完全なる“塾依存者”となるだけで

 

 結局は

 

 “お膳立て”がなければ何もできない生徒にしてしまう。

 

 こうなってしまうと

 

 思考放棄の学習となるので

 

 ただの作業マシーンになり下がる。

 

 

 中学のうちは

 

 塾があるために

 

 体裁を保つことはできようが

 

 高校生になってからは

 

 一切通用しなくなってしまう。

 

 知識や資料の活用力が求められる

 

 昨今の入試には

 

 まず対応できないだろう。

 

 

 対して

 

 成績上位陣は

 

 講師との距離感が上手な子が多い。

 

 基本的には

 

 講師に頼り過ぎないし

 

 質問に来るときも

 

 質問箇所がピンポイントである。

 

 “こうすれば解けるかも”

 

 と感じれば

 

 まずは“実行”してみる。

 

 それがダメなら

 

 他の手段を試してみる。

 

 それでもダメなら

 

 解説をしっかりと読み込む。 

 

 極力自分で理解しようと努めるため

 

 絶えず脳がはたらいているのだから

 

 思考力も育っていく。

 

 さらには

 

 問題を解くために必要な

 

 さまざまなアプローチ方法を身につけていく。

 

 

 成績が芳しくない生徒には

 

 ある程度のレールづくりは手伝ってやる必要があるが

 

 軌道に乗り始めた段階において

 

 指導する側は

 

 距離をおきはじめなければならない。

 

 指導の目標は

 

 生徒たちが“自学”で知識を獲得していけるようにすることである。

 

 指導する側の自己満足で

 

 なんでもかんでも

 

 “手取り足取り”では

 

 生徒は育たない。

 

 よって

 

 指導者は

 

 個々の生徒に対し

 

 どのタイミングで突き放す必要があるのか

 

 を的確に見極めることができるよう

 

 しっかりと生徒の状況を

 

 注視しておかなければならない。

 

 僕としては

 

 馴れ合いの“塾ごっこ”

 

 をするつもりはサラサラないので

 

 ともすれば

 

 生徒側から

 

 “塾の先生が冷たくなった”

 

 と思われる対応をするかもしれないが

 

 こちらもいろいろ意図しているモノがあるので

 

 そこは察してほしいと思う。

 

 距離感を意識せず

 

 生徒たちをダメにしてしまうことは

 

 絶対に避けなければならないのだからね。