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習慣化

 ここ20年以上、

 

 ずっといろいろな生徒たちを指導してきた。

 

 一番伸ばしにくいのは、

 

 幼少期から

 

 字の書き方や

 

 課題点検などを

 

 “習慣化”

 

 されてきていない子どもたち。

 

 

 字を見ると

 

 およそのものが推測できるのだが…

 

 書き順があきらかにおかしい、(漢字を記号として捉えている)

 

 字のバランスがメチャクチャ、(枠にそって書けない)

 

 読んだとおりにひらがなが書けない、

 

 などの傾向を示す。

 

 

 これらの傾向を示す生徒たちは、

 

 小学校低学年の頃からずっと、

 

 特に学校の課題に関して

 

 保護者の方によるノートやテストの点検、

 

 そして

 

 書き直しや解き直しなどが徹底的になされていないのだろうし、

 

 それによって、

 

 本人たちも

 

 書き順に注意して整った字を書こうとか

 

 意味を理解しようという意識が

 

 欠けているのだと思う。

 

 漢字は

 

 作りを見れば

 

 意味や読み方が推測できるものであり、

 

 そこを意識させつつ練習させ、

 

 覚えたかどうかをチェックしていれば、

 

 初見の新出漢字でも

 

 意味や読み方を推測できるようになっていく。

 

 やみくもに

 

 作業的に

 

 書きなぐるだけでは

 

 その練習は無意味に等しい。

 

 我が子の漢字ドリル課題を

 

 意味あるものにするためには

 

 保護者は、低学年の我が子に

 

 漢字を覚える意味を教えねばならない。

 

 

 

 夫婦共働きで忙しいという意見もあろうかと思うが、

 

 ドラマを見たり

 

 スマホをいじる時間があるのであれば、

 

 点検やアドバイス、

 

 いっしょに辞書を引く

 

 くらいの時間は取れる。

 

 生徒たちにもよく話すのだが、

 

 時間は作れる。

 

 

 小学校4年生くらいまでのうちに

 

 保護者による課題点検

 

 テストの解き直し(もちろん保護者がチェックする)

 

 わからないものは辞書を引いて調べる

 

 などを習慣化してしまえば、

 

 あとは子どもたちは勝手に進化していく。

 

 ここまで来れば、

 

 ある程度、我が子の勉強から手を引いても

 

 大丈夫だろうと思われる。

 

 また、

 

 その後の塾通いにおいて

 

 更なる成長を遂げることも可能である。

 

 要は

 

 保護者として

 

 最初にレールを敷いてあげたかどうか、である。

 

 

 

 

 こちらに“賢いな”と感じさせる生徒は

 

 相応の整った字を書くし、

 

 発問に対する反応も良いし、

 

 “なんで?”を大切にする。

 

 いろいろなことを知りたがるので

 

 何より指導者の一言一句に耳を傾けて聴く。

 

 

 対照的に

 

 学習が習慣化されていない生徒は

 

 少し話が難しくなると

 

 目の焦点が定まらなくなったり、(心ここにあらず)

 

 集中力が持続できなかったり、

 

 粘りを欠いたりする。

 

 この状態で高学年まできてしまうと

 

 その後

 

 塾通いを始めたとしても

 

 即効性は期待できない。

 

 根っこの部分からの改革を要求しなければならないため、

 

 指導する側もつらいし

 

 子どもも多大な苦痛を感じてしまう…。

 

 一生懸命な講師にあたるほど

 

 勉強がますます嫌いになってしまう恐れもある。 

 

 

 

 願わくば、

 

 幼少のお子様をお持ちのご家庭は

 

 低学年が終わるまでは

 

 親として

 

 しっかりと我が子の学習面の

 

 チェック機能を果たしていただきたいと思う。

 

 保護者としての責任を果たさずに

 

 塾に学校や塾にすべてを丸投げというのは

 

 間違っている。

 

 何より、

 

 子どもたちは

 

 家庭で過ごす時間がもっとも長いのだから…。