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偏見でしょ!

 ドキッとした…。

 

 仕事を終え、自宅に戻ると

 

 わが奥様から

 

 “ちょっと別室で話したいことがあるんだけど…”

 

 と切り出された。

 

 頭の中で、走馬灯のようにいろいろなことが駆け巡る…。

 

 “何かやらかしたっけ?”

 

 心当たりもないまま、

 

 別室へと移動すると、

 

 わが奥様が語り始めた…。

 

 …

 

 …。

 

 詳細は割愛するが、

 

 どうやら、

 

 愛娘が、クラスメート(男子)から心無いことを言われたことがあったらしく、

 

 それがプレッシャーになっている、と心情を吐露したとのこと。

 

 思い返せば、

 

 一度、本人の思うように自由にテスト勉強をさせたことがあったが、

 

 その時には、成績がドンと下がってしまっている。

 

 その際に、

 

 “塾の先生の子どもなのに、そんな成績なの?”

 

 (※でも、学年の上位15%には入ってるのだが…)

 

 というニュアンスのことを言われたらしい。

 

 愛娘からすれば、

 

 自分の成績が悪いと、親の評価を下げてしまう

 

 という認識なのだろう。

 

 “私なりに頑張っているのに…”

 

 という思いが爆発して、

 

 涙ながらにいろいろと普段思っていることを口にしたようだ…。

 

 わが奥様もそれを聞いて、接し方、声のかけ方などを考えさせられたらしい…。

 

 

 ふむ。

 

 困ったものだ…。

 

 塾講師の子どもだから頭が良い

 

 というのは、そもそも偏見と思い込みなんだよね。

 

 そのクラスメートの男の子からすれば、

 

 僕が愛娘に普段から勉強を教えている

 

 という認識なのだろうが、

 

 むしろ、実情はその逆。

 

 僕は娘に週1回会えるかどうかの状態であり、

 

 勉強を教えることなど皆無に等しい。

 

 僕が愛娘にしてあげられることは、

 

 勉強の材料を用意することぐらいである

 

 愛娘に幼少期から仕込んだことは

 

 中学校生活のその先を見据えた

 

 日々の学習の“習慣化”と“自学”のみ(これはわが奥様の全面協力のもとある程度達成されている。)

 

 であり、

 

 基本、愛娘は独学で勉強をしているに等しい状況なのだ。

 

 愛娘の成績と父親の仕事は全くの別問題であり、

 

 娘は娘、父親は父親である。

 

 実情も知らずに、偏見でモノを言うのは違うよね…。

 

 それにしても、

 

 思いもよらなかったな…。

 

 塾講師の娘ということで、

 

 背負うプレッシャーがあったとは…。

 

 もちろん、やるべきことはキチンとやってもらはなければならないが、

 

 親としては

 

 のびのびと過ごしてもらいたいのだけどね…。