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塾と学校は求められているものが違う

 塾業界で仕事をしていると

 

 よく生徒たちに質問されるのが、

 

 「先生が学校の先生だったらいいのに…」

 

 というもの。

 

 学生時代に

 

 塾通いをしていなかった僕では想像しがたいのだが、

 

 そういう考え方をする子も大勢いるんだなぁと思う。

 

 生徒たちからすれば

 

 同じ

 

 “先生”

 

 という括りなのだろうね。

 

 

 僕の中では

 

 塾講師は

 

 “教科を指導する”

 

 というのが妥当かと思っている。

 

 一般に各ご家庭が塾に求めているものは

 

 定期テストや実力テストにおける成績UP

 

 や

 

 志望校への合格

 

 であり、

 

 そのための

 

 学習環境や情報、

 

 解答テクニック、

 

 勉強法

 

 などを提供するのが塾である。

 

 ある程度は学習意欲のある子たちが集まるのだから、

 

 学校よりも

 

 勉強する空間づくりがしやすいのは

 

 言うまでもない。

 

 

 一方で

 

 学校の教員は

 

 “教科を通じて指導する”

 

 というのが僕の捉え方。

 

 集団生活や教科の指導を通じて

 

 社会で通ずるものの考え方や

 

 人格形成に大きな役割を担う。

 

 単にテストに出題される教科内容を伝える

 

 のが仕事ではない。

 

 また、

 

 学習意欲の高い子もそうでない子も混在している。

 

 そんな中での

 

 指導というのは

 

 難儀だと思う。

 

 

 

 生徒たちからすれば

 

 塾講師は

 

 最短距離でテストの点数を取らせてくれる

 

 という意味で

 

 学校の先生よりわかりやすい

 

 ということを言うのかなと思う。

 

 塾講師として

 

 “わかりやすい”

 

 と言われれば悪い気はしないが、

 

 でも、

 

 

 これはちょっと短絡的だよね。

 

 指導目標が違うのだから

 

 単純に比較はできないと思うよ。

 

 塾講師は

 

 短期的な視点で指導をし、

 

 学校の教員は

 

 もっと長期的な視点で指導をしている

 

 のだからね。

 

 

 理想は…

 

 塾講師と学校の教員のいいとこどり

 

 だと考え、それを実践するよう心掛けている。

 

 社会などを教えるにあたっても

 

 歴史的事実を伝えるだけでなく、

 

 なぜそうなったのか、

 

 それらがのちにどのような影響を与えるようになったのか

 

 などを考えさせ、

 

 意見を求め、

 

 背景を根本理解させるようにしているし、

 

 数学などで

 

 塾技を伝授する際にも、

 

 なぜその式になるのかなどを

 

 生徒と一緒に文字式で証明し、

 

 理解させたうえで

 

 使用するようにしている。

 

 なぜ

 

 を理解していないのに

 

 安易に結果だけを求めるのは感心しないからね。

 

 結果として…

 

 授業は延長のオンパレードになってしまうが、

 

 それはご愛嬌ということで…。(笑)