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堪え性

 学力を上げていくには

 

 やはり

 

 堪え性は必要。

 

 これを持ち合わせていなければ

 

 結果(数字)が出る領域まで

 

 待てず(頑張れず)、

 

 いつまでも

 

 望むものが手に入らない

 

 という状況に陥ってしまう。

 

 

 以前勤めていた塾に

 

 転塾を繰り返していた子が来た。

 

 子どもにも

 

 保護者の方にも

 

 堪え性がなかったのだろう。

 

 ちょっと通わせてみて、

 

 結果が変わらなければ

 

 また次の塾へ

 

 ということのくり返しだったようだ。

 

 僕の管理する教室へ

 

 その子が入塾するとなった際に

 

 保護者の方には

 

 こう話をした。

 

 

 

 いいですか?

 

 僕は神ではありません。

 

 通塾して

 

 ただ授業に参加しているだけで

 

 簡単に

 

 勉強のテクニックを習得させて

 

 成績を劇的に上げることはできません。

 

 いや、

 

 全国の名だたる講師でも

 

 それは無理でしょう。

 

 通塾をきっかけに

 

 お子さんの意識と行動が変わり、

 

 習慣も変わることで

 

 はじめて

 

 目に見える

 

 成果が出てくるのが

 

 勉強というものです。

 

 家庭学習による復習もなしに

 

 知識が身に付くことはありません。

 

 せっかく

 

 テクニックや裏技、

 

 語呂合わせを教えてもらっても

 

 それらをつかいこなすだけの

 

 訓練がなければ

 

 成果は出ないんです。

 

 学習負債が大きければ大きいほど

 

 勉強が習慣化されていなければいないほど

 

 成果が出るまでには時間がかかります。

 

 どうか

 

 今度は

 

 堪えて見守って下さい。

 

 それが無理なようでしたら、

 

 入塾をお断りいたします。

 

 

 その後、

 

 その子は入塾し、

 

 数か月の在籍で

 

 そこそこ成績は上がった。

 

 しかし…

 

 保護者の方の納得できる結果

 

 ではなかったのだろう。

 

 結局は辞めてしまい、

 

 また

 

 ありもしないものを求めて

 

 別の塾へ移っていった。

 

 後日、

 

 生徒伝いに

 

 その子は

 

 また成績が下がって

 

 転塾を検討している

 

 という話を聞いた。

 

 やっぱりか…

 

 と思いつつも

 

 一度は

 

 自分と関わった生徒だからね…、

 

 少々複雑な気持ちになった。

 

 堪え性があれば…

 

 もう少し

 

 一か所で腰を据えて頑張っていれば…

 

 と思ったよね…。

 

 

 努力をせずに

 

 簡単に成績が上がる方法、

 

 ただ参加しているだけで

 

 成績が大幅に上がる授業

 

 を求めても

 

 それらを提供できる塾など

 

 存在しない。

 

 そんな目先の数字を

 

 簡単にお金で買える

 

 という感覚が

 

 すでにその子を不幸にしている

 

 と思う。

 

 堪えて

 

 頑張りぬいて

 

 はじめて成果が出たときの

 

 充足感や達成感。

 

 それらを知らずに大きくなる

 

 というのは

 

 不幸以外の何者でもない。

 

 僕はそう思う。